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不要部分をカットする(その2)

  

不要部分のカット(続き)

前の記事の『不要部分をカットする』からの続きです。 この記事では、前の記事で分割した先頭の4秒間の映像トラックおよび音声トラックを削除します。

拡張編集ウィンドウ上でまとめて選択し、1回の操作で映像トラックと音声トラックの両方を削除します。 ただし『まとめて選択』という操作は難しいので、まずは練習しましょう。

複数選択の練習

難しいのは、まとめて選択するという点です。 AviUtlでは、複数のオブジェクトをまとめて選択する操作がわかりにくいです。 知らなければ、複数選択できないかもしれません。

拡張編集ウィンドウで複数のオブジェクトを選択するには、CTRLキーを押す必要がありますCTRLキーを押しながらオブジェクトをクリックすると、そのオブジェクトが追加選択されます。

また、ドラッグで囲んでまとめて選択することもできます。 CTRLキーを押しながらオブジェクトをドラッグで囲むと、囲んだオブジェクトがまとめて選択されます。

  
CTRLキーを押しながらメニューを表示させ、そこから選択する、という方法もあります。

そして重要なのが、CTRLキーを離すと複数選択が解除される、ということです。 選択後の処理を終えるまで、CTRLキーを離せないのです。 今回の操作であれば、先頭の4秒間を削除するまでCTRLキーを離せないということです。

では、複数選択の練習をしてみましょう。 まだ、削除は行いません。 複数選択を練習するだけです。

クリックで複数選択してみる

まずは、CTRLキーを押しながらオブジェクトをクリックする方法から練習してみましょう。

1. CTRLキーを押したまま複数のオブジェクトをクリックする
1. CTRLキーを押したまま複数のオブジェクトをクリックする

上図のようにCTRLキーを押したまま複数のオブジェクトを(1)・(2)のようにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 クリックを終えてもCTRLキーは離さずに、ウィンドウを観察してください。

  
クリックするのは4秒目以降の映像トラックと音声トラックです。 先頭の4秒間のトラックは選択しないでください(先頭の4秒間のトラックは次の練習で選択します)。
2. CTRLキーを押している間は複数選択が維持される
2. CTRLキーを押している間は複数選択が維持される

上図のようにCTRLキーを押している間は複数選択が維持されます。 映像トラックも音声トラックも明るく描かれていますが、これが複数選択されている状態です。

では、CTRLキーを離してください

3. CTRLキーを離すと複数選択が解除される
3. CTRLキーを離すと複数選択が解除される

上図のようにCTRLキーを離すと複数選択が解除されます。 映像トラックと音声トラックの両方がいつもの色に戻りました。

では、同じ選択方法で先頭の4秒間のトラックを複数選択してみましょう。 ただし、クリックするのは音声トラックのみとします

4. CTRLキーを押しながら音声トラックをクリックする
4. CTRLキーを押しながら音声トラックをクリックする

上図のようにCTRLキーを押しながら音声トラックをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 クリックを終えてもCTRLキーは離さずに、ウィンドウを観察してください。

5. 1回のクリックで映像トラックと音声トラックが選択される
5. 1回のクリックで映像トラックと音声トラックが選択される

上図のように1回のクリックで映像トラックと音声トラックの両方が選択されます。 音声トラックしかクリックしていないのに、なぜ映像トラックまで選択されたのでしょうか。

1回のクリックで両方選択されたのは、同じ動画から読み込まれたトラックだからです。 どちらのトラックも "simpleedit-in.mp4" から読み込まれているため連動したのです

  
今回は音声トラックをクリックしましたが、映像トラックをクリックしても同様に連動して選択されます。

先ほどの4秒目以降のトラックでは連動しませんでしたが、それは前の記事で分割したためです。 分割されたトラックは先頭部分しか連動しなくなります。

では、CTRLキーを離して次の選択方法へ進みましょう

ドラッグで囲んで複数選択してみる

次に、CTRLキーを押しながらドラッグする方法で複数選択してみましょう。 オブジェクトを完全に囲む必要はなく、少しでもドラッグ範囲に重なっていれば選択の対象に含まれます。

01. CTRLキーを押しながらドラッグで囲む
01. CTRLキーを押しながらドラッグで囲む

上図のようにCTRLキーを押しながら複数のオブジェクトをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のドラッグで囲みます。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。 ドラッグを終えてもCTRLキーは離さずに、ウィンドウを観察してください。

02. ドラッグの範囲と重なるオブジェクトがまとめて選択される
02. ドラッグの範囲と重なるオブジェクトがまとめて選択される

上図のようにドラッグの範囲と重なるオブジェクトがまとめて選択されます。 少しでもドラッグ範囲に重なっていれば、このように選択の対象に含まれます。

では、CTRLキーを離して次の選択方法へ進みましょう

メニューから複数選択してみる

複数選択の最後の練習として、メニューから選択してみましょう。 利用頻度の高い選択方法ですのでしっかり身につけておきましょう。

今回はカーソルより前にあるオブジェクトを選択してみましょう。 つまり、4秒目までに収まるオブジェクトをまとめて選択します。

01. オブジェクトの選択 -> カーソル以前に終了するオブジェクトを選択を実行
01. オブジェクトの選択 -> カーソル以前に終了するオブジェクトを選択を実行

上図のように拡張編集ウィンドウの何もない場所をCTRLキーを押しながら(1)のようにマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)をクリックし、表示されるメニューの(2)の"オブジェクトの選択" -> "カーソル以前に終了するオブジェクトを選択"を実行します。 メニューを実行してもCTRLキーは離さずに、ウィンドウを観察してください。

  
クリックするのは何もない場所です。 オブジェクトの上ではありません。
02. 4秒目までに収まるオブジェクトがまとめて選択される
02. 4秒目までに収まるオブジェクトがまとめて選択される

上図のようにカーソルの位置(4秒目)までに収まるオブジェクトがまとめて選択されます。

メニューから選択する場合には、他にも以下のような選択方法が使えます。

メニュー項目 機能
全てのオブジェクトを選択 全てのオブジェクトが選択される
カーソル以降に開始するオブジェクトを選択 カーソルより後ろにあるオブジェクトが選択される

先頭の4秒間の削除

では、先頭の4秒間の映像トラックと音声トラックを削除しましょう。 まとめて選択し、1回の操作で両方とも削除します。 削除するためのキーはDeleteキーに割り当てられています。

すでに説明したように、CTRLキーを離すと複数選択が解除されます。 複数選択が解除されないよう、映像トラックと音声トラックの両方を選択したらCTRLキーは離さずにDeleteキーを押さなくてはなりません

1. CTRLキーを押しながら音声トラックをクリック -> Deleteキー
1. CTRLキーを押しながら音声トラックをクリック -> Deleteキー

上図のようにCTRLキーを押しながら先頭の4秒間の音声トラックを(1)のようにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 クリックを終えてもCTRLキーは離さずに、続けて(2)のようにDeleteキーを押します。

  
すでに説明したように先頭の4秒間は映像トラックと音声トラックの選択が連動します。 どちらか片方をクリックすれば両方選択されます。
2. 先頭の4秒間の映像トラック / 音声トラックが削除される
2. 先頭の4秒間の映像トラック / 音声トラックが削除される

上図のように先頭の4秒間の映像トラック / 音声トラックがまとめて削除されます。 このように、CTRLキーを活用することでまとめて削除することができます。

ただし、先頭の4秒間をカットする作業はまだ終わりではありません。 4秒間のトラックが削除されたことで、タイムラインの先頭に空白ができてしまいました。 映像トラックと音声トラックを左に移動して、この無駄な空白をなくしましょう。

  
タイムラインとは、拡張編集ウィンドウ内の領域全体のことです。 上下でレイヤ(層)を、左右で時間軸を表現している領域のことです。
3. 映像トラックを左にドラッグする
3. 映像トラックを左にドラッグする

上図のように映像トラックをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

  
ドラッグを開始するのは映像トラックの開始点(左端)でも終了点(右端)でもない部分です。 開始点や終了点をドラッグしてしまうと長さの変更の操作になります。
4. 映像トラックが左に移動する
4. 映像トラックが左に移動する

上図のように映像トラックがタイムラインの先頭に移動します。 これで、映像に関しては無駄な空白はなくなりました。

では同様の手順で、音声トラックも左に移動させましょう。

5. 先頭の空白がなくなる
5. 先頭の空白がなくなる

上図のように映像トラックと音声トラックがタイムラインの先頭に移動し、無駄な空白はなくなりました。 これで、先頭の4秒間をカットする作業は終わりです。

映像トラックと音声トラックの連動はグループ化によるもの

映像トラックと音声トラックが連動したのは、正確にはグループ化の機能によるものです。 AviUtlでは、複数のオブジェクトをグループ化して管理上1つにまとめることができます。

標準設定では、拡張編集ウィンドウに動画をドロップすると、読み込まれた映像トラックと音声トラックは自動的にグループ化されます。 そのため、映像トラックと音声トラックの操作が連動しました。

4秒目以降のトラックが連動しなかったのは、説明した通りに前の記事で分割したためです。 分割されて別のオブジェクトになると、グループ化は解除されます

  
拡張編集ウィンドウの右クリックメニューから "環境設定" を開き、"分割時にグループを別々にする" のチェックを外せば分割してもグループ化は解除されません。

手動でのグループ化の方法

手動でもグループ化することができます。 グループ化(およびグループ解除)は、拡張編集ウィンドウから実行します。

オブジェクトのグループ化
オブジェクトのグループ化

上図のように複数のオブジェクトを(1)のように選択し、CTRLキーは離さずに(2)のようにマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)をクリックし、表示されるメニューの(3)の"グループ化"を実行します。

次の記事へ

長くなってきましたので、ここで一区切りしましょう。 続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

拡張編集ウィンドウでは、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のドラッグでオブジェクトを移動させることができます。

拡張編集ウィンドウでは、複数のオブジェクトをまとめて選択することもできます。 CTRLキーを押しながらクリックやドラッグすることで複数のオブジェクトが選択されます。 また、CTRLキーを押しながらメニューを表示させ、そこから選択する、という方法もあります。

操作/コマンド 機能
(拡張編集ウィンドウで)
CTRL+マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "オブジェクトの選択"
-> "全てのオブジェクトを選択"
全てのオブジェクトが選択される
(拡張編集ウィンドウで)
CTRL+マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "オブジェクトの選択"
-> "カーソル以降に開始するオブジェクトを選択"
カーソルより後ろにあるオブジェクトが選択される
(拡張編集ウィンドウで)
CTRL+マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)
-> "オブジェクトの選択"
-> "カーソル以前に終了するオブジェクトを選択"
カーソルより前にあるオブジェクトが選択される

複数選択は、CTRLキーを押している間だけ維持されます。 CTRLキーを離すと、複数選択が解除されます。

キーボードのDeleteキーを押すことで、選択中のオブジェクトを削除することができます。

操作/コマンド 説明
Deleteキー 選択中のオブジェクトを削除する
メニュー