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エンコード / デコード / コーデック / ビットレートって?

  

エンコード・デコード・コーデック・ビットレート

動画を制作するなら最低限知っておきたい用語があります。 エンコード・デコード・コーデック・ビットレートという4つの用語です

まずは、エンコードとデコードという用語から解説します。 エンコードとは、データをある規則に従って変換することをいいます。 日本語では符号化と呼ばれます。

エンコードされたデータを元に戻すことをデコードといいます。 つまり、エンコードの逆の処理です。 日本語では復号と呼ばれます。

  
復号化ではなく復号です。 "化"はつきません。

身近で行われているエンコード・デコード

身近なところでは、電子メールの送受信でエンコード・デコードが行われています。 例えば、"こんにちは" というメッセージを電子メールで送信すると、実際に送られるメッセージは "44GT44KT44Gr44Gh44GvCg==" となります。

この時の "こんにちは" から "44GT44KT44Gr44Gh44GvCg==" への変換処理がエンコードです。

電子メールを受信した先では、受信したメッセージ "44GT44KT44Gr44Gh44GvCg==" が "こんにちは" に戻されます。 この戻すための変換処理がデコードです。

電子メールでエンコード・デコードが行われる理由は、電子メールを中継するコンピュータのソフトウェアが日本語を理解できないことがあるからです。 そのため、"こんにちは" のままメッセージを送信してしまうと問題が発生することがあります。 問題が発生しないよう、英数字と記号だけで構成される文字に変換しているのです。

動画の読み書きでのエンコード・デコード

動画を読み書きする際にもエンコード・デコードが行われています。 ただし、理由は電子メールのそれとは異なります。 動画でエンコード・デコードが行われるのはデータ量を少なくするためです。 つまり、データを圧縮するためにエンコードが行われているのです。

少し話が逸れますが、現在、店頭で販売されている映画やTV番組はブルーレイに収録されています。 少し前まではDVDが主流で、その前にはレーザーディスクもありました。 さらに遡るとVHSやベータマックスという磁気テーブの時代でした。

VHSやベータマックスの時代に比べると今のブルーレイや少し前のDVDは驚くほど映像が綺麗です。 綺麗な理由は、ブルーレイやDVDの記録容量がVHSやベータマックよりも多くなったからでしょうか。 いえ、そうではありません

ブルーレイやDVDの映像が綺麗なのは、デジタル化されたからです。 そして、そのデジタル化に欠かせないのがデータ圧縮技術です。 実は、データをデジタル化するとアナログと比較してデータ量が大きくなってしまうのです

  
技術の向上によって記録密度が高くなっているということももちろんあります。 ありますが、VHSやベータマックスなどの磁気テープは実は大容量です。

昔、ADATというオーディオ規格がありました。 VHS(S-VHS)のテープにデジタルで音声を記録するための規格でしたが、録音できるのは120分のS-VHSテープに約40分でした。 アナログ(ビデオデッキ)なら映像 + 音声で120分記録できるのに、デジタル化すると音声のみで約40分しか記録できなかったのです。 デジタル化すると、このように容量が膨大になってしまうのです

そこで必要となるのが、データ圧縮技術です。 ADATはデータ圧縮されていなかったので40分しか記録できませんでしたが、ブルーレイやDVDはデータ圧縮されています。 データ圧縮されているからこそ、ブルーレイはハイビジョン画質で2時間記録できるのです

話が逸れましたが、まとめると、動画の読み書きで行われるエンコード・デコードはデータを圧縮するために行われています。

コーデックとは

続いては、コーデックについて解説します。 コーデックというのは、デジタルデータを圧縮するための規格のことです。 例えば、デジタルカメラで撮影した静止画はJPEGファイルとして記録されるのが一般的ですが、このJPEGという規格がコーデックの1つです。 つまり、データを圧縮するための計算方法であるとも言えます。

なお、コーデックというのは静止画に限ったものではなく、音声や動画を圧縮するための規格もコーデックと呼ばれます。 音声用のコーデックとしてはMP3が有名ですし、動画用のコーデックとしては、H.264(MPEG-4 AVC)が有名です。

すでに説明したように、デジタルの動画データではデータを圧縮するためにエンコードが行われます。 エンコードする際の規格(計算方法)がコーデックであり、H.264はそれらの規格の中の1つです。

ビットレートについて

ビットレートについても解説しておきます。 ビットレートとは、単位時間当たりのデータ量のことです

動画の分野では、ビットレートは1秒あたりのデータ量のことを指します。 つまり、1秒間の映像と音声を記録するのに使用するデータ量のことです。 ビットレートを高くすると綺麗に映像を記録することができますが、データ量は増えてしまいます。 逆に、ビットレートを低くするとデータ容量は少なくなりますが画質は悪化します。

固定ビットレートと可変ビットレート

ビットレートは1秒あたりのデータ量のことを指しますが、実はビットレートは一定にする必要はありません。 動きの激しいアクションシーンではビットレートを高く、静かな湖面の場面ではビットレートを低くする、ということもできます。

常に一定のビットレートのことを固定ビットレート(CBR:Constant Bit Rate)、場面によってビットレートが変化する場合を可変ビットレートと(VBR:Variable Bit Rate)呼びます。

それぞれ、長所と短所がありますので、制作する動画の目的や環境に応じて選択する必要があります。

方式 特徴
固定ビットレート
(CBR)
・エンコード後のデータ量が予測しやすい
・可変ビットレートと同じ品質にするとデータ量が増える
・ストリーム配信する動画に向く
可変ビットレート
(VBR)
・エンコード後のデータ量が予測が難しい
・データ量が同じなら可変ビットレートよりも高品質
・保存する動画に向く
  

インストールしたプラグインとの関係

エンコード・デコード・コーデック・ビットレートという4つの用語が、インストールした以下のプラグインとどう関係しているのかについても説明しておきます。

プラグイン 機能
L-SMASH Works AVI形式以外の動画を読み込めるようにする
x264guiEx H.264形式で動画を出力できるようにする

L-SMASH Worksプラグインは、AVI形式以外の動画を読み込むためにインストールしました。 つまり、色々なコーデックでエンコードされた動画をデコードして読み込むためのものです。 たくさんのコーデックを理解し、入力動画をデコードしてAviUtl本体に受け渡すのがこのプラグインの役割です。

x264guiExプラグインは、コーデックをH.264としてエンコードするためにインストールしました。 AviUtl本体からデータを受け取り、H.264でエンコードして出力するのがこのプラグインの役割です。 固定ビットレートでエンコードすることも、可変ビットレートでエンコードすることもできます。

  

まとめ

動画のデータ量を少なくするためにデータを圧縮する処理がエンコードで、その逆の処理がデコードです。 データを圧縮するための規格(計算方法)をコーデックといい、現時点ではH.264がよく利用されています。

1秒あたりのデータ量のことをビットレートと呼びます。 常に一定のビットレートのことを固定ビットレート(CBR:Constant Bit Rate)、場面によってビットレートが変化する場合を可変ビットレート(VBR:Variable Bit Rate)と呼びます。 それぞれ、長所と短所がありますので、制作する動画の目的や環境に応じて選択する必要があります。

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