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各ウィンドウの概要

  

AviUtlの各ウィンドウの概要

前の記事ではAviUtlの起動とプロジェクトの作成および猫の動画の読み込みを実施しました。

早く編集作業に進みたいところですが、まだ編集は行いません。 この記事では、AviUtlの各ウィンドウの概要について解説します。

各ウィンドウの概要

では、それぞれのウィンドウの概要を説明します。 各ウィンドウの項目について大まかに見てみましょう。

メインウィンドウ

まずはメインウィンドウから見てみましょう。 猫の動画が表示されているウィンドウがメインウィンドウです。

メインウィンドウの表示内容
メインウィンドウの表示内容

上図のようにメインウィンドウには動画が表示されています。 また、スライダやボタンもあります。 それぞれ見ていきましょう。


(1)には猫の映像、つまり読み込んだ動画が表示されています。 ここに動画が表示されるのは、システムの設定で "再生ウィンドウの動画再生をメインウィンドウに表示する" をオンにしためです。


(2)の緑色の線はオーディオ波形です。 波形でなく直線になっているのは、読み込んだ猫の動画の音声が無音だからです。 音声付きの動画を読み込めば、ここに波形が表示されます。


(3)のスライダはフレームを移動するためのトラックバーです。 現在は左端にツマミがありますが、これは今、動画の先頭(1フレーム目)が表示されているためです。

トラックバーをドラッグすることでフレームを進めたり、戻したりすることができます。 また、トラックバーのツマミの位置で現在の再生位置を知ることもできます。


(4)には5つのボタンが並んでいます。 それぞれのボタンの機能・用途は以下の通りです。

操作/コマンド 説明
[再生]ボタン 動画を再生 / 一時停止する
[1フレーム戻る]ボタン 1フレーム戻る
[1フレーム進む]ボタン 1フレーム進む
[選択開始]ボタン 現フレームを選択開始フレームとする
※出力される範囲の開始点
[選択終了]ボタン 現フレームを選択終了フレームとする
※出力される範囲の終点

(5)にも[選択開始]ボタン([選択開始]ボタン)と同じものが表示されていますが、実はこれはボタンではありません。 現フレームが選択開始フレームであることを示すアイコンです。 つまり、出力される範囲の先頭がこのフレームですよ、ということです。

同様に、選択終了フレームには[選択終了]ボタン([選択終了]ボタン)と同じアイコンが表示されます。


(6)のタイトルバーに表示されているのはプロジェクトに関する情報です。 画像サイズやフレームレート(1秒間のフレーム数)、音声レート(音声の周波数)などが表示されます。

今回の猫の動画は1920 x 1080のフルハイビジョン(フルHD)で、秒間25フレームであることがわかります。

拡張編集ウィンドウ

続いて、拡張編集ウィンドウについて解説します。 編集作業の中心的な役割を担う利用頻度の高いウィンドウです。

拡張編集ウィンドウの表示内容
拡張編集ウィンドウの表示内容

上図のように拡張編集ウィンドウには青色赤色の帯状の "何か" が増えています。 また、ウィンドウ上部には数値や目盛りがあります。 では、それぞれ詳しく見てみましょう。


(1)の数値と目盛りはルーラ(定規のこと)です。 水平方向で時間の流れを表しており、右へ行くほど時間が進みます。

数値は時間を表しており、"00:00:04.00" は、0時間0分4.0秒を意味しています。 目盛りは目安であり、1目盛りがどのくらいの時間を表すかは(4)の設定によります


(2)の青色赤色の帯は、読み込んだ動画の映像トラックと音声トラックです。 青色が映像トラックで、赤色が音声トラックです。

  
動画は映像と音声で構成されています。 本ウェブサイトでは、映像部分を映像トラック、音声部分を音声トラックと表記します。

映像トラックは点線で囲まれていますが、点線は選択されていることを示しています。 現在、拡張編集ウィンドウでは映像トラックが選択されているということです。

  
拡張編集ウィンドウでは、点線は選択されていることを表します。

映像トラックも音声トラックも開始点(左端)は、ルーラの "00:00:00.00" の位置から始まっています。 これは、0時間0分0秒から再生されるという意味です。

また、映像トラックと音声トラックは帯状に長く表示されていますが、長さは再生時間を表しています。 再生時間の長いものは長く、再生時間の短いものは短く描かれます。


(3)のタイトルバーに表示されているのは現フレームの時間と現フレームのフレーム番号です。 "00:00:00.00" ということは先頭フレームということであり、"1/816" は816フレーム中の1フレーム目(つまり先頭フレーム)であるということです。

  
フレーム番号は 0(ゼロ) からではなく 1 から始まります。

(4)は拡張編集ウィンドウの表示倍率を変更/確認するためのゲージです。 ゲージをクリックやドラッグすることで表示倍率を変更することができます。 また、ゲージを見ることで現在の表示倍率を知ることもできます。

  
表示倍率が低いと(1)のルーラの1目盛りあたりの時間が長くなり、結果(2)の帯は短くなります。 つまり、プロジェクト全体を見渡すことができます。
  
逆に表示倍率が高いと(1)のルーラの1目盛りあたりの時間が短くなり、結果(2)の帯は長くなります。 つまり、全体は見渡せませんが細かい作業はやりやすくなります。

(5)の縦に並んだ "Layer XXXX" という項目はレイヤ番号を表しています。 レイヤとは文字通り "層" のことで、AviUtlでは動画の素材となる映像や音声・画像やテキストなどはレイヤ上に配置しなければなりません。 レイヤ上に配置した素材が重ねられたものが、最終的に出力される動画になります。

今回の例では、映像トラックは "Layer 1" という枠内にあり、音声トラックは "Layer 2" という枠内にあることがわかります。


(6)の水色の縦線は現フレームの位置を示す "カーソル" です。 現在は先頭フレームに位置していますのでカーソルは左端に描かれています。

なお、カーソルは下位の色と合成されますので水色で描かれるとは限りません

設定ウィンドウ

最後に設定ウィンドウを見てみましょう。 設定ウィンドウは、動画の素材となる映像や音声・画像やテキストなどの設定を行うウィンドウです。

設定ウィンドウの表示内容
設定ウィンドウの表示内容

上図のように設定ウィンドウには様々な項目が並んでいます。 なお、このウィンドウは、拡張編集ウィンドウでオブジェクトが選択されている時にだけ表示されます

  
オブジェクトとは、映像や音声・画像やテキストなど動画の素材になる物のことです。 すでに説明した映像トラックや音声トラックがオブジェクトです。

このウィンドウの表示内容は、拡張編集ウィンドウで選択されているオブジェクトの種類によって変化します。 現在は映像トラックが選択されていますので、映像トラック用の項目が表示されています。

では、もう少し詳しく見てみましょう。


(1)のバー / 両側の小さなボタン([先頭フレーム]ボタン / [最終フレーム]ボタン) / ボタンの隣の数値は、選択中の映像トラックの情報が凝縮されたものです。 まず、バーが青色であることで、選択中のオブジェクトの種類が画像であることを表しています。 音声トラックを選択中ならバーは赤色で表示されます。

バーの両側にある小さなボタン([先頭フレーム]ボタン / [最終フレーム]ボタン)は、フレームを移動するためのボタンです。 押すことで、選択中のオブジェクトの先頭フレーム / 最終フレームに移動することができます。 プロジェクトの先頭フレーム / 最終フレームではなく、選択中のオブジェクトの先頭フレーム / 最終フレームです

ボタンの隣の数値は、選択中のオブジェクトの先頭フレーム / 最終フレームのフレーム番号です。 今回の例では、選択中の映像トラックは1フレーム目から816フレーム目まで続いていることがわかります。

バーの左端にある水色の縦線は、現フレームの位置を示しています。 拡張編集ウィンドウにあるカーソルと同じく、水色で描かれるとは限りません

バーは見るだけでなく、フレームの移動にも使えます。 バーの任意の位置をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックすることでフレームを移動することもできます。


(2)のX / Y / Z / 拡大率 / 透明度 / 回転 / 再生位置 / 再生速度は、画像(今回は映像トラック)に設定する項目です。 これらの項目を設定することで、位置を調整したり回転させたりできます。 なお、項目は選択中のオブジェクトによって変化します。音声トラックでは別の項目群が表示されます。

なぜ、左右で対になったスライダがあるのか、なぜ右側のスライダが無効になっているのかは今は知る必要はありません。 後ほど詳しく説明します。


(3)には、この映像トラックのファイル名や再生方法(ループさせるか)などの項目が表示されています。 ファイル名が "simpleedit-in.mp4" つまり、ダウンロードした猫の動画であることがわかります。

  

設定ウィンドウを閉じてしまったら

設定ウィンドウを間違えて閉じてしまった時のために、設定ウィンドウの再表示の方法をここで解説しておきます。 設定ウィンドウは、拡張編集ウィンドウでオブジェクトをダブルクリックすることで、再表示されます。

設定ウィンドウを表示させる方法
設定ウィンドウを表示させる方法

上図のようにオブジェクトをダブルクリックします。 どのオブジェクトでも構いません。

  
オブジェクトとは、映像や音声・画像やテキストなど動画の素材になる物のことです。 すでに説明した映像トラックや音声トラックがオブジェクトです。
  

まとめ

動画はメインウィンドウ上で再生され、オーディオ波形も合わせて表示されます。 また、メインウィンドウにはフレームを移動するためのトラックバーやボタン群があります。 選択開始フレーム・選択終了フレームを指定することで出力される範囲を限定することもできます。

操作/コマンド 説明
[再生]ボタン 動画を再生 / 一時停止する
[1フレーム戻る]ボタン 1フレーム戻る
[1フレーム進む]ボタン 1フレーム進む
[選択開始]ボタン 現フレームを選択開始フレームとする
※出力される範囲の開始点
[選択終了]ボタン 現フレームを選択終了フレームとする
※出力される範囲の終点

拡張編集を行うなら素材(映像や音声・画像やテキストなど)はレイヤと呼ばれる層の上に配置して利用します。 レイヤ上の素材の管理やレイヤそのものを管理するためのウィンドウが拡張編集ウィンドウです。 レイヤ上に配置する素材は『オブジェクト』と呼ばれます。

拡張編集ウィンドウでオブジェクトを選択すると点線で囲まれ、さらに設定ウィンドウが表示されます。 設定ウィンドウでは、選択中のオブジェクトの設定を行います。

設定ウィンドウが表示されない場合は、何でもいいのでオブジェクトをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でダブルクリックしましょう。

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